相続放棄を検討しながら遺品整理を進めると、民法921条の「法定単純承認」に該当して相続放棄が無効になるリスクがあります。財産的価値のあるものを処分した時点で、借金も含めてすべての遺産を引き継いだとみなされるため、順序と範囲を誤ると取り返しのつかない事態になります。
この記事では、相続放棄前後に「してよいこと・してはいけないこと」を法的根拠とともに整理し、リスクを回避しながら遺品整理を進める正しい手順を解説します。大田区で遺品整理と相続放棄を同時に進める方は、ぜひ最後まで読んでください。

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相続放棄を検討しながら遺品整理を進めると、民法921条の「法定単純承認」に該当して相続放棄が無効になるリスクがあります。財産的価値のあるものを処分した時点で、借金も含めてすべての遺産を引き継いだとみなされるため、順序と範囲を誤ると取り返しのつかない事態になります。
この記事では、相続放棄前後に「してよいこと・してはいけないこと」を法的根拠とともに整理し、リスクを回避しながら遺品整理を進める正しい手順を解説します。大田区で遺品整理と相続放棄を同時に進める方は、ぜひ最後まで読んでください。

監修
たての遺品整理 代表
舘野 久璃洲
遺品整理士 / 宅地建物取引士
新卒から不動産業界で活躍し、大手不動産会社で勤務したのち、たての遺品整理の代表として活動。大田区でリフォーム事業を営む中で遺品整理のご相談が多く、地域密着で丁寧・誠実な対応を心がけています。
代表紹介を見る ›遺品整理と相続放棄は、どちらも故人が亡くなった後に発生する手続きですが、順序を間違えると法的に重大な影響が生じます。相続放棄が認められるには「財産を処分していないこと」が前提になるため、遺品整理で財産を動かした場合、家庭裁判所に相続放棄を申し立てても却下される可能性があります。
特に、故人に借金や連帯保証債務があるケースでは、相続放棄が無効になると債権者からの請求を受けることになります。遺品整理を始める前に、相続放棄の手続きと法的な注意点を把握しておくことが不可欠です。
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産と負債をすべて引き継ぐ権利を放棄する法律上の手続きです。プラスの財産よりも借金などマイナスの財産が多い場合に選択されます。
相続放棄の申述期限は、自己のために相続の開始があったことを知った日から原則3か月以内です。この期間を「熟慮期間」と呼び、期限を過ぎると原則として単純承認(すべての財産・負債を引き継ぐこと)とみなされます。
期限内に申述の準備が整わない場合は、家庭裁判所に熟慮期間の延長を申し立てることができます。大田区の場合、管轄は東京家庭裁判所(本庁)になります。
相続放棄前に財産を処分すると、民法921条の「法定単純承認」に該当し、相続放棄が認められなくなります。これは最も注意すべきリスクです。
民法921条は、次のいずれかに該当する場合、相続人は単純承認したものとみなすと定めています。
法定単純承認とみなされる主な行為(民法921条)
「処分」は法律的な概念で、単に捨てるだけでなく売却・譲渡・使用なども含まれます。遺品整理の現場で起こりがちな行為を確認しておきましょう。
相続放棄を検討していても、「保存行為」や「生活に必要な範囲の行為」が認められる場合があります。ただし、判断が難しいグレーゾーンも多いため、事前に専門家へ確認することをお勧めします。
葬儀費用を故人の遺産(現金・預貯金)から支出するケースは判断が分かれます。裁判例では「社会慣習上やむを得ない支出」として認められた事例もありますが、処分とみなされるリスクを完全には排除できません。相続放棄を確実に成立させたい場合は、葬儀費用も自己資金から出し、遺産には手をつけないことが最善です。
相続放棄が完了した後も、財産の扱いには注意が必要です。放棄した財産は相続財産法人となり、他の相続人または相続財産清算人が管理することになります。
| 区分 | 具体例 | 放棄後の扱い |
|---|---|---|
| 処分できないもの | 現金・預貯金・有価証券・不動産・貴金属・骨董品・車・保険証券 | 次順位の相続人または相続財産清算人へ引き継ぐ |
| 廃棄できるもの | 腐敗食品・ゴミ・財産的価値のない衣類・日用消耗品 | 保存行為として廃棄可能(財産に手をつけない前提) |
| グレーゾーン | 家電・家具・ブランド品(価値不明)・通帳・印鑑 | 専門家に判断を仰ぐ。廃棄前に写真撮影・目録作成を推奨 |
2023年4月施行の改正民法940条では、相続放棄時に相続財産を現に占有していた人に限り、その財産を相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで保存義務が残ります。放棄者全員に一律に義務が続くわけではありませんが、放棄後は処分権限がないため、家財に手をつける前に家庭裁判所または専門家へ確認してください。
遺品整理の現場では、財産とゴミの境界線が曖昧になりがちです。処分してから「あれは財産だった」と気づいても、法定単純承認の撤回はできません。仕分け時に特に注意すべき品目を把握しておきましょう。
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